重心線と重心
2017年12月14日
~運動学編パートⅠ~
①姿勢と歩行―重心線と重心
力を抜いて楽な姿勢で両足を約30度開いて立った場合、重心線は乳様突起の前(耳)、
第1頚椎、第7頚椎、第10胸椎、第5腰椎、仙椎の前方、膝関節の前方を通り、踵と中足骨
骨頭の間に落ちる。
重心は頭頂部から足底までの間の下から55~58%あたりの重心線上にあり、ほぼ第2仙椎
の少し前方に位置する。
2, 重心線と矢状面での脊柱の生理的な弯曲
重心線を中心に頚椎は前弯、胸椎の後弯、腰椎の前弯を形成し、弯曲のバランスをうまくとっ
ている。
頚椎と腰椎は前縦靭帯、胸椎は棘上靭帯や背筋膜などにより、脊柱の弯曲を保っている。筋の
収縮は不要である。
3,重心線と下肢の関係
重心線は股関節の後ろ、膝関節の前、足関節の前を通る。つまり重力は股関節を伸展するよう
に働き、その作用は腸骨大腿靭帯で対抗される。さらに重力は膝を伸展させるが、これに対抗
するのは膝関節包や斜索である。ここまでは脊柱の場合と同様に軟部組織の弾性によりこの位
置関係が保たれ、エネルギーはさほど必要としない。足関節に関しては重力は背屈に作用する
が、この力に対抗できるのは下腿三頭筋や後脛骨筋でこれらの筋の収縮が必要となる。
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